英国のEU離脱決定による欧州特許等への影響について
2016年6月30日
本年6月23日に行われた英国の国民投票で、英国はEUから離脱することとなりました。実際の手続は、英国が離脱の通告をした後に開始されますが、この通告は9月以降にずれ込むだろうと言われています。現時点で判明している欧州特許等に対する影響は、以下の通りです。
1.欧州特許について
欧州特許庁はEU管轄下の組織ではありませんので、従前通りで問題はありません。
2.欧州意匠・商標(旧共同体意匠・商標)について
本年3月23日に、欧州連合商標規則が施行されたことに伴って、共同体意匠・商標庁(OHIM)は、欧州連合知的財産庁(EUIPO)と改称しました。
名前の通り、EUIPOはEUの機関であるため、英国の離脱に伴い、共同体意匠及び共同体商標については、変更が生じるものと考えられます。
3.その他
SPC(医薬品の補充的保護証明書)は、欧州理事会によって導入されており、現在は、EU共通のテキストで運用されています。医薬品の存続期間の延長の申請は、各国の官庁に手続をとることになっていますが、英国の離脱に伴って、英国は独自のSPC制度を整備する必要が必要と考えられます。